２０１２年石垣島探鳥記

ヤツガシラ

石垣島を旅してきました。南の島は春一色でこれから北に渡る夏鳥たちが日替わりのように集まっていました。 石垣島がはじめてなので SeaBeans さんにお世話になり探鳥ポイントを回りました。 日本の最西端に近いので朝日が出るのは大変遅く日の出は７時です。 （小さな写真はクリックすると拡大表示されます）

■　3/29(木)　晴天　２５℃

羽田より石垣島へ

ANA 125便で那覇空港に１０時２０分に着きました。春休み真最中のためか満員でしたが、雲一つない晴天で富士山が裾野まで見え、日本列島の南岸を空から見渡しました。
那覇から ANA 1765便で石垣島へ。

時刻表	東京湾アクアライン	横浜ベイブリッジ	江の島
富士山、美しい

SeaBeans さんの探鳥ツアーに出発です

◆　石垣空港近くの森にズグロミゾゴイがいました。

鋭い目つき	嘴が汚れてます	上半身をくねくねと	ミミズや虫を探して
首は伸び縮みします	近すぎて足が写りません	薄暗い林を徘徊しています

◆　海岸線をまわりましたが、シギチはみあたりません。クロサギ、ムナグロ、メダイチドリくらい。街路樹のなかにシマアカモズがいました。

シマアカモズ♂	上嘴の先が２つギザギザ	とても白いです	シマアカモズ♀
餌探しは苦労しません	嘴、立派ですね	後ろから	ちょっと意外な場所にも

◆　畑には夏羽が美しいアマサギがいました。

アマサギ

アマサギ

アマサギ

◆　その後、牛フンの堆肥場に行きました。たくさんの虫が発生するせいか、渡ったばかりのキマユツメナガセキレイの大群がここを餌場にしていました。

冬羽からの換羽中	名前の由来の長い爪	蝿やアブを食べて	なにか食べました
正面顔	長い爪をみせて	エンジェルのポーズ	少しきれいな個体

◆　マングローブの上にとまるムラサキサギ、カンムリワシを見ながら珍鳥がよく出る道を走っているとヤツガシラを発見。

ムラサキサギ：冠羽をなびかせて

カンムリワシ

ヤツガシラ：冠羽の先が黒く

冠羽を８つの頭にみたてて

◆　最後はヤエヤマシロガシラがあそんでくれました。

背中の色は背景にとけ込んで	頭部の白羽がチャームポイント	ちょっと頭羽を逆立てて	尾羽でバランスをとって
ギョギョッチと鳴いて	ちょっとここで休憩

■　3/30(金)　晴　２２℃

新川川河口と平田原水田

新川川河口にはいつもの面々のコチドリ、イソシギ、メダイチドリ、クロサギ白色型とアオアシシギが飛んできました。

採食風景

嘴を水平に移動させ

挟もうと

これでとれるの？

バンナ公園への道すがら

途中電線上にリュウキュウサンショウクイ、カンムリワシをみかけました。

リュウキュウサンショウクイ

小紋柄の羽毛がきれいです

近ずいても逃げません

翼の下は白でした

バンナ公園

バンナ公園は石垣島の中心地で広い園内には鳥だけでなく蝶や昆虫もたくさんいて楽しいところでした。 リュウキュウキビタキのきれいな囀りが聞こえたのでさがしました。

♂幼鳥でしょうか？

黄色味が薄いです

きれいな声で囀って

嬉しい出会いでした

ホウオウボクの種の鞘は４０ｃｍくらいの大きなもので、これを振るとマラカスのように音がします。

ホウオウボク

カエンカズラ

巨大なシダのヒカゲヘゴ

ヒカゲヘゴの大きな葉

ヤツガシラに会いに

ヤツガシラに会いに行きました。昨日と同じところで一生懸命採食していました。長旅のための準備でしょうか？

冠羽、こんな風です	ゴキブリのような虫を食べて	冠羽を開いて	この冠羽の機能は？
成虫の場合は嘴でかんで弱らせます	そのあと口に放り込みます	旅の途中なので食欲旺盛	５分に１回位食べて
のどをふくらませ	冠羽は２列のように見えます	緊張すると冠羽が開くようです	冠羽はちょっと立体的
次第にねます	うまく重なって

■　3/31(土)　雲　２１℃

新川川河口

石垣島にいるカラスはオサハシブトガラス一種ですが、数は都会並に多いです。ハシブトとはいえ嘴は細く体もやや小さいです。

「カァーカァーカァー」

幼鳥だったようで親がなにかを

「もっともっと」と

また何かもらいました

ゴイサギがどこからともなく冠羽をなびかせ飛んできました。

小翼羽しょうよくう、はじめてみました

冠羽をなびかせて

翼の裏がみえます

この後ふんわり着地

マングローブ林

マングローブとは、熱帯から亜熱帯地域の河口汽水域にできる森林のことで、ヤエヤマヒルギ、メヒルギ、オヒルギなどがあります。
沖縄本島では比較的小さいヤエヤマヒルギを多く見ましたが、石垣島では大きいオヒルギが多かったです。

オヒルギの群生林	亜熱帯独特の景観	気根が大きく盛り上がって	二酸化炭素を吸収する力は抜群
気根が複雑にからまって	気根は幹の上からも出ます	オヒルギの種。自然落下でささります	種から芽吹いた若木
木についてる種	気根は幹の上からも出ます

明石

明石にある八重山そばの名店、明石食堂で野菜そば、ソーキそば、島らっきょうを食べました。美味！

野菜そばと島らっきょう

ソーキそば

かわいい馬にあいました

石垣島のシーサーは漆喰

近くを探索するとイシガキシジュウカラが元気に飛んでいました。

全身が黒いです	腿の羽も黒いです	虫をみつける能力は抜群	白い羽はほほだけ
民家のまわりを	ネクタイというよりは黒ひげ	ちょっと薄い色の個体を発見	幼鳥で親から餌をもらっていました

太朗窯で焼き物をみていると、電線上にギンムクドリ発見。渡りの途中のようです。

雄どうしのようですが

なかよく

ここで一休み

渡りの途中のようです

ここではオサハシブトガラスが巣材を集めていました。昨年もここで子育てしたそうで。

巣材運びに忙しく

フクギ並木の中に巣を作っているようです

昨年もここに巣を作ったとか

石垣島最北端　平久保崎

石垣島最北端の平久保崎には灯台がありましたが、東シナ海からの風は強く立って歩くのはこわかったでした。

石垣島最北端の地

平久保崎灯台

伊原間

伊原間の船越は石垣島で一番狭まった所で巾が２００ｍしかありません。昔は舟を陸の間をかついで運んだそうです。

伊原間にあった舟形のトイレ

伊原間の船越

石垣島北部

赤いデイゴの花が満開でした

■　4/01(日)　晴　２０℃

石垣市の中心部にある７３０交差点

沖縄が本土に復帰して６年後の１９７８年７月３０日道路交通方法の一斉変更の日を記念して７３０交差点と名付けられました。
石垣島の位置は、東京から１９５２Km、ハワイから７８９０Km、台湾から２７８Km。

７３０交差点

由来

石垣島中心部

石垣島の位置

新川川河口

まずは新川川河口をチェック。夏羽のシロチドリ、トウネン、メダイチドリ、コムクドリがいました。
子育て中のイソヒヨドリのペアが虫集めに飛びまわっていました。

イソヒヨドリ♂が虫をくわえて	こちらをにらんで	そばに巣があるのか	虫をみつけるのはすばやい
イソヒヨドリ♀、やはり虫をくわえて	下尾筒、きれいですね	なかなか巣には近ずきません	さあ飛ぶよ

元名蔵の牛フン堆肥場

近くの電柱にはカンムリワシがとまっていました。上空をミサゴが大きな魚をかかえて飛ぶと、それをオサハシブトカラスが追いかけて。

カンムリワシ

カンムリワシ

ミサゴが大きな魚をかかえて

オサハシブトカラスが追いかけて

ここでしばらく観察していると、アカガシラサギ夏羽が飛んできました。咄嗟のことでうまく撮れませんでした、残念。

フワフワと

ゆっくり

優雅にとんでいました

ちょっととまって

かわった鳥がきていないかとみていると、夏羽のきれいなキセキレイ♂がやってきて、虫捕りを披露してくれました。

草むらで探し物？	これがお目当てだったようで	逃げ回るアブをキャッチ	ごちそうさま
後ろの足の爪、長いです	この角度からみると精悍	またまた取りました	逃げられないようにしてから食べます

いつものようにキマユツメナガセキレイも羽繕い。

緑の中で	大切な翼のお手入れを	お疲れですか？	初列雨覆を確認
翼の裏もチェック	長い爪もよく見えます	初列風切、初列雨覆がよくみえます	タテハモドキ

石垣島を旅していた４月初めはツバメの渡りの最盛期でした。この中に変わったツバメがいるよと教えていただき撮りました。アカハラツバメです。

疲れると電線で一休み	腹が薄い赤茶色のツバメ	羽繕いに忙しそう	尾が短い
仏頂面で愛嬌がないです	エンジェルのポーズ	翼をおろして	ウオーミングアップ完了

サトウキビ畑で

サトウキビ畑にカンムリワシが佇んでいました。地元で保護活動をされている方とお話しましたが、１卵しか産まないためこれから先は心配な状況とか？
この時期人目につくところにいるのは雄で、雌は子育ての準備にはいっているそうです。

よく畑に佇んでいます	威圧感はありません	２時間くらいは平気でじっと	それにしてものんびり屋です
翼の裏	V字を描いてとんでいました

サトウキビ畑にムラサキサギもいました。湿地帯にしかいないと思っていたので意外でしたが、虫を探しているようでした。

冠羽を風にたなびかせ

翼がおちて

紫というよりは灰褐色です

かなり大きいです

サトウキビの刈り取り風景です。刈り取ったサトウキビの茎を入れた網を、サトウキビ専用の運搬車に積み込みます。すべてリモコン操作でした。

機械でサトウキビを刈り取り

サトウキビの茎を網に入れます

クレーンで網を吊り上げます

網をサトウキビ専用の運搬車に

■　4/02(月)　晴　２０℃

新川川河口

まずは新川川河口へ。 クロサギですが石垣島には白色型が多かったです。白色型と黒色型が番になると子供はどうなるのでしょう？

磯で魚をねらっています	白鳥の舞いのように	舞いながら魚を追います	おっと、失敗
またまた舞って	今度は成功です	小さな魚をとって	こちらは黒色型
白色型と黒色型の交雑	翼の上の方に黒羽が点々と	なかなか興味深い現象です

地味な冬羽のメダイチドリが１羽で採食していました。

灰黒色の小さな鳥	腹側は真っ白	嘴の下の白い羽がかわいい	雨にぬれて
仲間はいないようでした	冬羽はとくに地味	元気で渡ってください

パンナ岳北側のサトウキビ畑

雨が降っていたので車の中から、雄のコウライキジが数羽の雌をつれて歩いていたので追いました。

白い首輪がみえます

雨にぬれて

海岸線の街路樹

立派なアコウの木。生命力の強さを感じます。

アコウの実

熟すと食べられるそうです

ミサゴが大きな魚をかかえて

アコウの木の幹からイチジクに似た形状の小型の隠頭花序を、直接付けます（幹生花）。オオゴマダラも強風のため静かにとまっていました。

アコウの実

熟すと食べられるそうです

オオゴマダラ

■　4/03(火)　雨のち晴　２６℃

新川川河口

新川川河口にカラムクドリが渡ってきているとの情報で探しました。翼の白い部分が大きい方が♂、翼の白い部分が小さい方が♀です。

上が♂、下が♀

目の瞳は中心が黒く周囲は白い

鉛色の空にとけ込んで

鳴き声はムクドリに似

パンナ岳

この日は天気も悪く風も強いので、中腹の森のなかでチョウを追いました。亜熱帯のチョウたちは大きくてきれいでした。

リュウキュウアサギマダラ	イシガケチョウ開翅	イシガケチョウ　　裏から	ツマベニチョウ
オオゴマダラ	ホウライカガミに卵を	黄金のオオゴマダラの蛹	タテハモドキ♀夏型
リュウキュウヒメジャノメ	リュウキュウヒメジャノメ開翅	ヤエヤマウラナミジャノメ	ヤエヤマウラナミジャノメ開翅
アオスジアゲハ	アオスジアゲハ　花粉を脚につけて	スジグロカバマダラ	蛾？
タイワンクロボシシジミ	リュウキュウミスジ	リュウキュウミスジ開翅	コウトウシロシタセセリ開翅
カワカミシロチョウ	ウラギンシジミ	ナミエシロチョウ♂	不明

蝶以外の動物たち。ヤエヤマセマルハコガメは国の天然記念物で顔が黄金にかがやいていました。

ヤエヤマセマルハコガメ	イリオモテモリバッタ	カタツムリ	甲虫　１５ｍｍ
タイリクアキアカネ	コフキショウジョウトンボ♂	オオシマカクムネベニボタル　１２ｍｍ	甲虫　１２ｍｍ
アフリカマイマイ	マングローブ林にいた巻き貝	イワサキキンスジカミキリ

石垣島新港　人工島

北朝鮮がミサイルを発射すると予告、南の東シナ海に着弾するらしい、石垣島の西を通過するとかで迎撃ミサイルPAC3を配備するそうです。 石垣島新港の人工島にその基地を作るらしく、昨日までとはうってかわって緊迫感が増してきました。

人工島の奥地

自衛隊員が

警備をはじめました

記者が取材に

■　4/04(水)　晴　２６℃

新川川河口と平田原水田

新川川河口にはムナグロ冬羽がいました。
平田原水田ではリュウキュウヨシゴイが草むらに隠れるところを見つけました。

水面に映るムナグロ

リュウキュウヨシゴイの目

草むらに逃げる

逃げる

磯部川河口

夏羽のキョウジョシギ、キアシシギ、ムナグロ、メダイチドリなどがいました。

キョウジョシギ夏羽	キョウジョシギのペア	えさを探して	岩を器用にひっくり返して
突然ジャンプ	翼の裏は真っ白	遊び心満点	ダルマのように

キアシシギは苦しそう。よくみていると足元にペレットを吐きました。まだ冬羽のメダイチドリもいました。

嘴を	大きく開いて	苦しそう	ますます
おおっ	大きなペリットを	冬羽のメダイチドリ

宮良川河口

チュウシャクシギが１羽遊んでいました。

なにかを食べています

チュウシャクシギ大きいです

飛び姿１

飛び姿２

名蔵湾

名蔵湾にはオオメダイチドリが１０羽くらい水浴びしたりしていました。

胸元の羽色はうすく、嘴が長い	入江で遊んでいました	飛びはねて	歩き回って
何かみつけました	まったり１	まったり２	まったり３

フサギビーチの上の牧場

ミルミルのジェラートを食べに車を走らせていると、牧草地にコウライキジを発見！
雄の首に白い輪があり、胸から腹にかけては茶色です。警戒心が強くなかなか撮れなかったコウライキジですがようやく撮れました。夕方にはここにインドクジャクも現れるとか。
インドクジャクは八重山諸島に人工的に持ち込まれ、野生化して繁殖し、貴重な自然を食い荒らすためいまでは駆除対象なので人に対する警戒心は凄いです。何回も見ましたが撮影できませんでした。

突然雄雌ペアで姿を現しました	雄の尾羽は擦り切れてぼろぼろ	雄の耳飾り、かわいいです	雌の目の下には白い線が
雌の尾羽も擦り切れて	足は太く丈夫そうです	雌がさきにいきました	荒地を抜けて藪に消えました

■　4/05(木)　晴　２３℃

桃林寺

石垣市の山の手にある古いお寺で、１６１４年八重山地方初の寺社建立。

山の手

寺も琉球瓦

桃林寺

「調える」いいですね

新川川河口

新川川河口でカラムクドリをやっときれいに撮れました。実は２０羽くらいいたのですが、ほんの一部しか撮れませんでした。

カラムクドリ♂

♀の翼の白はめだちません

きれいな花でした

平田原水田

運よくシロハラクイナがどんどん歩いてきました。

大きな足指です	嘴の上の赤がチャームポイント	農道をのんびりと	散歩中
尾羽をピンと上げて	尾羽の裏は褐色	立ち止まって人間観察	尾羽、かっこいいでしょ

元名蔵の牛フン堆肥場

キマユツメナガセキレイの数が少なくなると、タイワンハクセキレイ等が渡って来ました。

背中が灰色でのど元の黒が大きい	のど黒です	足を伸ばして	まだまだ伸びます
ああ伸びた！	翼をちょっとあげて	ツメナガセキレイでも眉線が白いものも	正面顔
夏羽への換羽の途中	長い爪がみえます	緑のなかで

アカハラツバメがかわいかったので、また撮りました。

尾羽に白い丸がみえます	集団のなかに何羽かいました	う〜〜ん、かゆい！	羽の元は黒いんですかね
翼を伸ばして	何度も撮りにいきました	尾羽の白い水玉模様	セッカ♂

平田原水田

ムネアカタヒバリを昨日撮ったのですが満足できず、もう一度撮りにいきました。車のかげからの撮影です。

後ろ姿	頭と胸の羽が赤味を帯びて	足の運びがおもしろい	あっ、青虫みっけ！
お花畑のなかで	時折背伸びして警戒です

石垣島新港　人工島

北朝鮮のミサイル発射による不測の事態に備えてミサイルの軌道上の石垣島には PAC3 が配備され、急に緊張感が漂い始めました。
救護所には、ミサイルの燃料が有害液体であるので、そのためのものでしょうか？テントなどもありました。

PAC3 の輸送艦が横付け

人口島も立ち入り禁止に

軍の車両がいっぱい

救護所

石垣空港近く

日本一小さいセミが沖縄にいます。４月から６月にカヤやサトウキビの葉上で「ジーー」と抑揚なく長く鳴いているイワサキクサゼミです。
滞在最終日に、声を頼りに探し羽化したてのイワサキクサゼミにあえました。１５ｍｍ。カヤの葉巾が２０ｍｍですから、その小ささがわかると思います。
石垣島測候所の2代目所長だった岩崎卓爾^{いわさきたくじ}氏が発見しました。
石垣島や八重山地方特産種である昆虫、爬虫類の多くの標準和名の頭にイワサキの4文字を冠しているのは、標本を送られた各人の、彼に対する献名なのだそうです。
撮影できたもう一つのイワサキはイワサキキンスジカミキリです。
石垣新空港は来年３月開港です。主な施設はほぼ完成しているようでした。

イワサキクサゼミ

イワサキキンスジカミキリ

石垣新空港

帰路

【旅のガイド】

【フィールドノート】　　あいうえお順